GAME LIFE HACK

ゲーム生活、少し変えてみませんか?

結局のところ『レッド・デッド・リデンプション 2』はどういったプレイヤーにお勧めできる作品なのか?狂気的な作り込みを果たした今年最大の「事件」について語りたい

ビデオゲームにおいて、「面白い」とは大きく分けて2種類の傾向が存在すると分析することも可能だという話をしたい。ひとつは喉がひりつく様な高揚感を伴ったアッパー的面白さ、そしてもうひとつが知らぬ間にゲーム内に飲み込まれ継続し続けてしまう類のダウナー的面白さである。これら二つの面白さはひとつの作品内に重ね合った状態で存在しており各シーケンスによってその認識できる面白さの傾向が変化するスペクトラム的なふるまいを見せている。特に大型パッケージ作品になればなるほどこの重ね合わせの傾向は強くなる。
 

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画像は全てXBOXONEXでキャプチャーしたものを使用している
 
例えば大型ボスを討伐する系のハンティングアクションでは、素材集めその他の手続的準備を踏まえるシーケンスによるダウナー的楽しさと、格上目標相手の戦闘状態における短期かつ濃密な駆け引きによるアッパー的面白さが折り重なるように存在している。或いは昨今のトレンドのひとつとなっているバトルロイヤル系アクションシューティングは潜入行動や索敵や装備探索などのダウナー的楽しさと、銃撃戦をはじめとした敵との駆け引きによるアッパー的楽しさのグラデーションとなっていると考えることも可能だ。そしてこの概念は他にも音ゲーSTG、格闘アクションゲームでさえ実践の駆け引きと練習の操作精度向上の二つでこの二つの面白さの駆け引きが存在している。
 
(そしてこの観点から考えるとシンボルランダム問わずエンカウント方式のRPGにおいて、ストーリーと探索要素と戦闘システムが常に隣り合わせで存在するのはゲームプレイの感触の緩急を与えているとも解釈することが可能なわけだ。尤も通常エネミーとの戦闘を行うためのエンカウントを誘発させる理由付けとして機能させるためにそういったフィールドデザインが行われているのが大抵の場合の基本的な目的ではあるはずだが。)
 
このようにビデオゲームとはテンションのグラデーションによって粘りのある体験を得られるように作られている。
 
だがそんな中でも同時にしばしばこれら面白さの傾向が片方に寄り切っているケースも存在する。それは例えばシューター作品のキャンペーン部分であったり、数値の上下変動と睨めっこし采配を決めるシミュレーションゲームであったり、ワンセッションで濃密な時間を与える体感寄りのアーケード筐体作品など探せば幾らである。
 
そして本作『レッド・デッド・リデンプション 2』は劇的な演出を抑えつつ描写や操作の濃密さを切り口にしたダウナー的面白さに大幅に寄せた作品として極めて振り切り切った作品であるのだ。
 

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ありていに言えば「ひとを選ぶ作品」

というわけで『レッド・デッド・リデンプション 2(以下:RDR2)』を(アパラチアに寄り道しつつも)遊び続けて3週間以上経過した。本作は開拓時代が終わりつつある米国を舞台に、時代の流れに取り残されかけたギャング団の一員となって様々な依頼や抗争をこなしつつ苛烈な世界を生き延びていく作品だ。
 

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本作の特徴といえば何と言ってもその圧倒的ともいえるグラフィックの細やかさと各描写の追求具合だ。単純に美麗なグラフィックだけなら昨今の大型IPにおいては珍しくもない特徴であるがそれに加えて本作はインタラクト方面にまでその作り込みの細かさが実装されているのだ。そしてこの作り込みの細かさはゲームを遊ぶ上で良くも悪くも遊ぶ感触にまで大きく影響を与えてしまうほどだ。結果、本作の作りは極めて尖ったものとなっており、遊ぶ際に高確率で人を選ぶ作品に仕上がってしまっている。(じっさい本記事で書いたつもりの長所部分は人によってはそっくりそのまま短所として映ってしまっている部分が殆どだ)
 
なので本作についておススメする際は「ゲームの魅力を列挙」するよりも「どういったプレイヤーに本作が合うかどうか」という切り口で触れた方が良いのではないか?と強く感じた次第だ。
 
そんなわけで本記事ではストーリー部分については言及せずに(※言及できるほどの咀嚼力と語彙を持ち合わせていない)本作のシステムや描写周りの仕上がりの方面から、どういった方が本作を楽しめるかどうかについてを軽く1万文字程度ではあるが掘り下げていく文章となっている。 

ゲーム進行に関わるほどの表現力を楽しめるか

本作の特徴としてまず挙げる事が出来るだろう要素の一つが「過剰なまでの表現の細かさ」だ。昨今リリースされているゲームの動作や表現は基本的に傾向としてどんどん細やかなものになってきているが、本作『レッド・デッド・リデンプション 2』はそういった表現の細かさでが特に作り込みがゲームの操作性に影響する段階まで作り込まれている。
 

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例えば本作のアイテム取得周りの仕様についてを挙げてみよう。基本的にビデオゲームにおけるアイテムの特に取得する際の処理と言えば、大抵の場合回収ボタンを押下すると同時にその場でフィールド上からオブジェクトが消えインベントリ内に瞬時に収納される処理になっている場合が殆どだろう。もっと綿密に描写をするにしても屈み込んで取るなど「それっぽい仕草」が発生する程度だろう。だが本作『RDR2』はそういった些細な動作に関してもほぼ確実に細やかな動作が設定されている。
 

そこをこの『RDR2』では正確にアイテムの位置にまで腕が伸び掴み習得しカバンにしまい込むことではじめてインベントリに追加されるのだ。このアイテムを拾い上げる処理がゲーム的な都合ではなく本当にアイテムを拾い上げる動作として実装しているのが本作なのだ。

 
他にも採集系の動作でもこれら表現の細かさは適用されており、野草を摘むときは軽く選定の動作を行ったり、狩猟した動物の皮を剥ぐときはその剥ぐ様子まで細かく表現され、大抵の種類においてはカメラの切り替えによる誤魔化し無しに全ての解体作業が行われ、しかも毛皮一枚一枚ごとに馬に積む動作も必要になる。場合によっては一枚までしか積めない種類のアイテムも存在する。
 

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本作の狂気的な作り込まれた表現は処理的な都合が発生する場合以外毎度必ず挿入される。だがこういった表現は確かにゲーム作品において没入感を高める助けとなるのと同時に、ゲームプレイの進行を阻害する感じてしまうリスクも孕んでいる。
 
そういった表現や動作や操作の細かさをその都度楽しむことが出来るのか、それとも先に進む際の煩わしさとして避けたいのかは本作を楽しめるかどうかのひとつの基準の一つとして考える事が出来るだろう。
 
閑話休題その1:省略する重要性とは
インターフェースの快適さとは状態遷移の軽快さの度合いでもあり、つまるところ項目移動やメニュー選択などは短ければ短いほど良くなりやすい。というのは日常生活の中で画面による状態変化の確認を主とした精密機器を使用する中で実感出来る事柄だろう。
 
加えてビデオゲームにおいてこの快適さの根源となる操作性の軽快さが重要であると同時に、エンターテイメント作品として同時にどういった動作や操作を行っているかのフレーバーとしてのモーション設定は必要であるということも実感できる部分だろう。だがそういった装飾的モーション付けは必要とされる場合においても大抵は早い段階で省略されることが殆どだ。例え没入感を必要とした表現の細かさは実装するにしても快適さを重視する際にある程度の段階で省略されるのが基本的というわけだ。
 
例えば、過去のビデオゲーム作品において採取動作の細かさでまず思い出すものと言えば『モンスターハンター ワールド』になるが、あの作品においても基本的には移動中の収集や即時回収など絶妙にその動作が省略されており加えて綿密なモーションが適用されるのはキーアイテムや重要手掛かりの入手などで、つまるところ対象の重要度合いによってその省略具合が変化している仕様となっていた。(アクションゲームではこういった時間の差異が予備動作やモーションの重さ駆け引きの)
 

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そして表現の省略化やデフォルメ化を極限まで行い省略化を果たすことで濃密なゲームテンポを実現した作品の最右翼として『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』を挙げる事が出来る。アイテム取得はゼロ秒で行われ、弓矢で野生動物を射れば即座に肉になり、気候変化はダイレクトにHPに影響を与える、ストーリーは必要最低限で、音声関係も限られた範囲、さらに言えばトゥーン調で視認性を高めたデザイン性。『 ~ブレスオブザワイルド』はこのようにゲームとしてのボリュームを実装すると同時に可能な限りの省略作業が実装されている例としても極めて重要な作品というわけだ。
 
つまりある意味で『レッド・デッド・リデンプション2』と『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』のふたつはオープンワールドという大ジャンルの括りの中で正反対に位置する作品となっていると考える事が出来るわけだ。
 
閑話休題その2:本作のインタラクトシステムについて
『~ ブレスオブザワイルド』の話題を挙げたのでもう一つ。『RDR2』を語るうえで触れておきたいユニークな仕様として「Z注目システム(Z-targeting)」が実装されている事についても軽く掘り下げておきたい。
 
今更「Z注目システム」について説明の必要は薄いと思うが軽くおさらいしておくと、「Z注目」とは特定ボタンを押下しているあいだカメラ方向が常に敵やNPCの方向にロックオンされ距離に応じた各種インタラクトを行う事が容易に可能になるプレイ時の思考からカメラ方向の調整を無視し彼我の立ち位置と距離に考えを重視しやすくなる、時代劇はチャンバラにおける忍者の鎖鎌を絡めた殺陣を参考に実装されたビデオゲームにおける偉大な発明品のひとつだ。
 
だが同時に「Z注目」は昨今のビデオゲームにおける右サムスティックを用いた自由にカメラを動かす操作傾向が広まっていく状況の中、初期の「Z注目」の仕様のまま実装されているという作品は存外に少ない。たいていの場合は仕様の一部を切り出して実装されているというケースが殆どなのだ。
 
例えばボタン押下ごとに状態が切り替わるスイッチ方式が基本設定だったり、或いはロックオンマーカーの表示による注目点の提示と多少のカメラの遊びが残されるロックオンシステムとして実装されたりと時代に対応するように形式が変化している。昨今のビデオゲームにおいてチャンバラを目的に本来の仕様に近い「Z注目」を実装した作品としては『For Honor』が該当するだろう。
 
(尤も最新作である『~ ブレスオブザワイルド』では、『~ 時のオカリナ』時代の「Z注目システム」のもう一つの特徴であった「注目している敵以外の攻撃は待機される」仕様がすっかりオミットされているわけだが。)
 
そんななかで本作「RDR2」は昨今の3Dゲームにおいては珍しい、厳密な意味に極めて近い「Z注目システム」が積極的に採用されている作品のひとつでもあるのだ。
 
本作の操作システムで左トリガー(以下:LT)はADS(Aim Down Sight:覗き込み狙い動作)として機能すると同時に、敵やNPC等の対象に対して吸い付くように注目を行うZ注目としても機能しており、そのため本作の戦闘は、画面内の中央付近に敵が近寄った状態でを押下することで自動的に敵を検索、照準作業を行ってくれるのであとは右スティックで狙う位置を微調整しより少ない弾数で仕留めるといった流れで銃撃戦を行っていく形になっている。また近接武器を持った状態での格闘でもLTを引きつつXボタンで防御しBボタンで攻撃する状況判断を求められる駆け引きが発生している。
 
加えて何より『RDR2』の「Z注目システム」の何が特徴的かというと「インタラクトのトリガーとしてもZ注目が実装されている」という点だ、インタラクトとは主に非戦闘状態のNPCあるいは馬など生物に該当するオブジェクトに対してのありとあらゆる行動だ。
 

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というのも、本作でミッションの開始を含めた会話や物品の売買や会話そして馬の世話等を行う際まずLT押下で対象をロックオンし、そこからはじめてどういった要求や会話を行うのかの選択を行う形式となっている。これによって誰に話しかけるか等の行動を行う前にワンクッション安全装置が実装される形となるわけで、結果的に選択操作的方面において操作エラーを限りなく抑え込まれている仕組みとなっているのだ。(ただそれでも武器をしっかり収納してないと、ただ会話しようとしたさい不意に武器抜きを行ってしまい場の空気が一気に悪くなってしまう仕様だけはどうにかして欲しかった。武器ホイールから素手を選択することを常に意識するようにはしているが、特に敵対勢力に絡まれやすい郊外だと特にこの事故起きてしまうし・・・)
 
また先に挙げた近接戦闘時の防御と攻撃の割り振りは非戦闘時のインタラクト傾向においてもその割り振りが共通化されており、基本的にXボタンでポジティブな選択肢、Bボタンでネガティブな選択肢が割り振られている。例えば通常の会話ではXボタンは挨拶や会話でBボタンは挑発関係だし、店員相手の購入画面への移行もXボタンが割り振られ、宿屋における宿泊と入浴はそれぞれXボタンとYボタンに割り振られている。こういった割り振りによって自然と自分の抱いた感情や行いたい反応によって指を伸ばすべきボタンに迷いが少なく仕上がっているわけだ。
 
そしてこの会話時もLT押下で「Z注目」を行わせる仕様の何が画期的かというと、例えば移動しながらの会話でもしっかり相手と対面しながらやり取りが行えるという絵的にも機能的にも違和が少なくなるように仕上がるという部分だ。勿論一度会話用の反応ボタンを押下したあとにLTを押下してもしなくても問題なく会話が継続されるのだがそれでも対象を見失うことが無く捉え続けることが出来るという点で非常に有難い仕様となっている。
 

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このように共通化された選択肢傾向と本来の仕様に近いZ注目システムの合わせ技によって、通常操作時のインタラクトが円滑に行う事が可能かつ戦闘時と非戦闘時のボタン位置による反応の変化を直観的に認識しやすいよう設計がされているわけだ。前作『RDR』で見知らぬ人に挨拶を行うことが可能だった仕様を更に推し進めた仕様なわけである。
 

グラフィックも面白さとして見る事が出来るか

先に挙げた動作の細かさに関連する部分なのだが、本作は動作の細やかさだけでなく純粋にグラフィックの表現もまた異常なまでの作り込みが果たされている。冗談に聞こえるが本作はグラフィックを観るためのゲームでもあるわけだ。材質の質感から空気感、そして光沢に至るまでありとあらゆる部分の表現力凄まじく、おおよそゲームらしい表現といったものは可能な限り抑え込まれている。
 

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こういった細やか且つ作り込まれた風景を純粋に楽しめるかどうかもまた、本作を遊ぶ上で重要な部分だ。
 
草木の密度は勿論、泥には足跡がキッチリと描写され炎はしっかりと燃え広がり、雪原では押しのけた雪がしっかりと残る。銃器類は材質の質感の違いの表現の細やかさから手触りまで錯覚してしまうし、馬は走り続けると発汗から湯気が立ち上り身体も汚れる。目の前に広がる風景も多岐に渡り、穏やかな気候の草原から険しい山岳にうっそうとした密林地帯、そして雪原地帯とそのすべての風景が世界として作り込まれており、ひとつとして同じ光景は存在しない。
 

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そのため移動する際の目に飛び込む風景は常に絶景状態でキャプチャー操作の為のホームボタン+Yボタン操作はついつい行ってしまうし、本作はオプションを経由しなくてもUIをほぼすべて消した状態にすることが可能なので俄然風景としてゲーム画面を撮影しやすい点も非常に魅力的だ。
 
同時に本作のゲームスピードは全体的にスローテンポで、大半の時間は超長距離を馬で移動する場面に充てられてるどころかそもそもの移動速度が遅めに設定されてさえいる。加えてビューボタン長押しで遷移可能なシネマティックモードを用いれば半自動で大半の移動は行ってくれるほどに長距離移動がゲームの前提として組み込まれている。(感覚的には『FFXV』のレガリアを用いた移動に近いだろう。)ファストトラベル機能はある地点まで使用できず、解禁されても極めて限定的な機能に留まっている。
 

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そういったある意味で間延びしたゲームテンポを埋め尽くすように本作の表現は、当たり前のように存在が表現され同時に当たり前のようにディテールが濃く仕上がっており、それをひっくるめて「空気感が凄まじい」といえる作品であるわけだ。(過去に『Forza Horizon 4』でフォトモードをそれっぽく撮影する為の記事「現実の風景は存外に慎ましくそして同時に密度が濃い」といった話をした。ある意味で本作『RDR2』はその慎ましさと濃さの両立を目指したあるいはそう仕上がった作品であるように遊んでいて感じた。)
 

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そういったゲームとしての所謂「サクサク感」といったものが全く存在しない本作は時間の許す限り延々と遊ぶような「重い」プレイスタイルが必然的に求められる形となる。風景を眺めつつ野生生物や見知らぬ人気になったロケーションを発見し寄り道をする、あるいは誰かしら休憩している焚火の煙目指して向かうなど、とにかく風景そのものに情報が散りばめられている。
 
この世界の作りは何か体験を誘導するのではなく何処にいても世界が繋がったまま存在している現実感の表現として作られているのだ。
 

無駄を楽しめるか

近年のオープンワールド作品の御多分に洩れず、本作『RDR2』においても様々な寄り道要素が実装されてその作り込みは深いものとなっている。
 

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狩猟に始まり釣りやギャンブルやフィンガーフィレット、飲酒に食事、散髪は毛の伸び具合で可能な度合いが変化し、入浴に至っては手足どこを洗うかまで操作することが可能なほどだ。特にサンドニで堪能できるショーはその演目や展開が豊富で何度見ても楽しめるほど凝っている。
 

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アクティビティ以外にも只の買い物でもカタログから一括で買う以外に店頭商品から手に取って情報を確認し購入することも可能だし、銃器店では細やかなカスタマイズが可能で性能に影響のない部分まで装飾を加えることが可能だ。高貴な銃に彫刻(エングレーブ)を施しても何の戦術的優位性(アドバンテージ)もない。
 

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だが基本的に本作のアクティビティはそのバラエティが多岐にわたる反面、大きく稼げるというものはほぼ存在しない。
 
効率を重視するのであれば馬上で服装切り替えを行えばよいし纏め買いしたいならカタログでボタン連打すれば済む、そして銃器は高性能なもの一つ買えばストーリーの進行に特に問題はない。狩猟やギャンブルもそこから得られる稼ぎはどれも1~10ドル程度の上下に留まっており、数百~数千ドル規模の稼ぎを行いたい場合はメインクエスト絡みの強盗行為を行う方がはるかに効率が良い。
 

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このように本作の拘ってた演出や操作周りはそのかかる手間や時間に反して得られる効果が薄いものが殆どである。ぶっちゃけ効率重視するなら無視することが可能なものばかりだ。こういった無駄な要素を楽しめるか、もっと言えば「ごっこ遊び」としてのめり込むことが出来るのかといった部分も本作を楽しめるかどうかの判断基準になるだろう。
 
(こういった部分も『FFXV』の「ファンタジーアクションRPGとして見るか、キャンプメインの友人4人組卒業旅行として見るか」で評価が分かれたあの感触に近いと個人的に感じた。写真撮影が作品のメインシステムのひとつとして存在し、宿泊や食事が毎回必ずゲームプレイの要素として実装されていたし、何より超長距離を移動する自動移動システムの実装具合も本作に極めて近く、無駄を楽しめるかどうかがそのまま作品の相性に繋がる類の作品だったわけで。)
 
 

上位機種を持っているか

さてここまで本作の描写の細やかさについて挙げたのだが、そういった要素を楽しむために地味に望ましいのが、4K環境FHD環境関係なく第八世代据え置き機の上位機種(XBOXONEならONEX、PS4ならProをだ)を所持しているかという点だ。
 

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本作はその圧倒的な表現力を実現するためにハードを酷使している作品となっている。炎や密集地帯の表現になると普段静かなONEXから冷却ファンの音が上がる程だ。そして通常本体で本作を起動させると影を始めとした表現のいくつかが簡略化され、ポリゴンの輪郭や密度も聊か見劣りしてしまう。自宅の環境でONEとONEXを同時運用し比較してみたが、特に本作『RDR2』はEnhancedされた際の効果が大きく変化している作品のひとつだと思えた。

 

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なので本作を遊ぶなら上位機種を所持している方が望ましいし、逆に既に上位機種を持っている人は本作で性能を酷使するのも悪くないだろう。(恐らく将来的にリリースされるだろうPC版においてもRTX2000台でようやく標準環境な要求スペックになると思われる。)
 
スペックを最大限に引き出すためのプログラムより、プログラムを最大限に引き出すスペックが必要というわけだ。
 

主人公の立ち位置を受け入れる事が出来るか

本作のストーリー部分に関してももまた人を選ぶ仕上がりとなっている、というのも良くも悪くも本作は前作『RDR』以上に、ロックスター・ゲームス(以下:R☆)っぽいキャラ付けとストーリーなのだ。
 

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『RDR2』は正義或いは義理を貫き通すことが可能なゲームには仕上がっていない。前作『RDR』では主人公ジョン・マーストンは政府の手先という立ち位置もありかつての仲間だったギャングを手にかけその過程で人助けをし高潔な義賊を演じることは容易だった。
 
だが本作は話としては前作より過去のに位置しており、最終的に壊滅するであろうギャング団に属した状態で物語が展開される。つまり話の土台時点で正義の味方になる事が出来ないように仕向けられているのだ。その状態で時代の流れを実感しながら今のままでいいのかの悩みを抱えながら話が展開されるのが本作の肝の一つなわけだ。
 

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向こうの事情などお構いなしに借金を取り立てるし、気軽に強盗も持ちかける、盗みも働くし、苛烈な報復も行う。そして得たシノギをギャング団の金庫に納める。(いちおう本作では収めたお金は、予算としてきっちりとギャングの拠点構築や消費アイテムの補充に割り当てられるのでそこらへんはゲーム的な都合で上手く回ってる)勿論義賊として高潔な態度をとることも可能だがあくまでフリーローム時の一要素に過ぎない程度に抑え込まれている。
 
銀行強盗や馬車強盗に関しても「この辺にぃ、美味い銀行屋の支店、あるらしいっすよ」といったノリで日常生活の延長で持ちかけられ、気が付いたら銃を構えてカチコミしてることも珍しくない。犯罪を行う際はしっかりマスクをするなどして可能な限り目撃者を少なく抑え込んでおこう。
 

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このように本作『RDR2』のストーリーやキャラ造形は前作と方向性が変わっており、人によっては違和を憶えやすい部分であると考えられる。賢しい小悪党として西部世界を駆け巡ることに魅力を憶えれるかどうかは重要なポイントなのだ。そしてまだ『RDR』『RDR2』のどちらも遊んでない状態で、開拓時代アメリカを英雄好漢として通りすがりの仏の慈悲と渡世の仁義を果たしたいので場合は前作『RDR』の方をお勧めしたい。Enhanced対応含めて互換対応もしてるので高解像度で現行機基準で遜色なく遊ぶことも可能だし。
 

まとめ

本作は膨大な予算と人員と製作時間と現行技術の総動員で、ゲームとしての表現の嘘を、極めて可能な限り避け何処までも作り込みが込められた作品である。そしてそれだけのリソースが費やされた本作は同時に「ゲームらしさを捨て去ってもなおゲームとして楽しめるのか」といった問いかけにもなっている。
 

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そして「凄い」ゲームと「面白い」ゲームとは必ずしもイコールではない。「凄さ」は比較的絶対的な基準だが「面白さ」については遊ぶ人間によって変化しやすい相対的な基準だからだ。
 
ビデオゲームという根本から虚構で構築されている世界で可能な限りの五感を構築した『レッド・デッド・リデンプション 2』は、無条件に誰にもお勧めできる作品からは程遠いがそのぶん好みとして噛み合わさった際に発生する没入感もまた極めて大きいので本記事を読んで興味をもった人は遊んでみるのを検討してみて欲しい。
 

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余談:どうしても辛かったら鞄の強化を目指そう
本作のリアリティ志向はインベントリのキツさにまで及んでいる。
 
初期状態だと各アイテムは数個程度までしか収納できないのだ。もちろんゲーム進行的には多少きつい程度でプレイの阻害感は薄いのだがそれでも長期間買い物しなくても済むくらいのアイテム収納はあると遊びやすさが一気に変わる。
 
なので本作を遊んでいてどうしても大変と感じたならば、キャンプ拠点で装備強化可能な施設を作成し、鞄の作成を行うことをお勧めする。
 
そしてひととおり鞄作成した後に製作可能になる最終強化鞄はそれぞれアイテムを最大99個まで収納できるようになるので、遊びやすさに大きな差が生まれるだろう。特に敵対勢力の拠点にカチコミした際、その場にある消費アイテム類を洗いざらい回収しきる事が出来るのは非常に大きい。ストーリー進めつつ狩猟も行っておくと良いだろう。
 
必要な素材は以下の通りだ。これだけまず集めておけば一気に最終強化まで持ち込む事が出来る。
 
鹿の毛皮×7
エルクの毛皮×2
 
雄鹿の毛皮×1
アライグマの毛皮×1
ウサギの毛皮×1
イノシシの毛皮×1
クーガーの毛皮×1
狼の毛皮×1
ヒョウ/パンサーの毛皮×1
イグアナの毛皮×1
ビーバーの毛皮×1
 
バイソンの毛皮×1(大型につき持ち運び制限あり)
アナグマの毛皮×1(大型につき持ち運び制限あり)
 
リスの毛皮×1(インベントリ内で解体操作が必要)

 

ブラックウォーター(金銀で言うところのカントー枠)にまで行かなくても入手できる素材ばかりなので集めてみても良いだろう。素材関係は拠点の料理担当のピアソンさんに寄付すれば自動的に素材として保管されるので回収したら即拠点に戻るようにしよう。

 

 

 

『Forza Horizon 4』のフォトモードで「実写っぽく」撮るために試してる事をまとめたかった

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Forza Horizon 4』の解禁が迫ってる。本シリーズは『Forza Motorsport』からのスピンオフ的な位置づけとなっており、数百平方kmものフィールドを自由にドライブし、競い合い、クルマを集め、更なるレース出場し、更なるクルマを買い求め、より広くドライブを楽しむ事が出来る作品となっている。
 
その中で自分が毎回特に楽しみにしている要素が広大なフィールドのなかで様々な条件のもと自由にクルマを撮影することが出来る『フォトモード』である。自分の場合2011年の『Forza Motorsport 4』(こちらは周回レースメイン)からこの要素が気になりだし、2014年の『Forza Horizon 2』(オープンワールド)辺りから本格的に試行錯誤を始め今に至った形だ。その過程で何かしらコツっぽいものが我流とは言え見えてきたので、今回、思い切って自分が知っているものをひととおり挙げておこうと考えたのだ。
 

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まぁドローンモードで撮影しても結構それっぽくはなるんだけど・・・
 
今回の記事は『Forza Horizon 4』の製品版に備えて今までのシリーズや体験版を遊ぶ際に(写真に関しての知識が無いなり試して)上手くいってると自己満足してる撮影方法について7000文字程度でザックリとまとめたモノになっている。
 
 

前提として(読み飛ばしてよい)

基本的には「綺麗なCG」として仕上がってしまう

まず大前提として、ゲーム内で撮影したスクリーンショットはまず「綺麗なCG」として仕上がってしまうという話からはじめたい。
 
CGで作られたゲーム内の高精細な特殊効果を見た後に、現実の同様の現象を見比べてみたりすると「現実の方が遥かに慎ましく情報密度が高い」ということに気付かされるだろう。「モノマネのコツは元ネタの特徴を大げさにする」事なのは有名な話だが、同様にフォトリアルなCGもまた基本的に現実のモノマネなので現実の特徴を誇張して表現してる場合が殆どなのだ。
 

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勿論こういった絵作りは普段遊ぶ際のグラフィックとして或いはゲームのスクショとしては別段問題なく、高精細な画像としてビデオゲームのハードやソフトの進化や最適化を楽しむうえでは気にする必要はない。
 
だがここでいざ「脳味噌が混乱するようなものを撮ってみよう」と考えると撮影の難易度は一気に上がる。そういった設定をイチから見つけようとするなら猶更だ。レンダリング行い現実感を実現している静止画や映像作品と違い(勿論こちらも非常に長時間の作業や処理が必要になるので楽というわけではない。手間がかかる手間をかけやすい媒体という話だ)、常にリアルタイム処理の生データを完成品として出力するゲーム内スクリーンショットではその仕上がりの差が出てくるのは当然なわけで。
 

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そういったなかで「美麗なゲームのスクリーンショット」から各種色味の調整や構図を見つけ誤魔化しの仕方などを駆使して、継ぎ足したり打ち消しした結果最後に残ったものが「実写っぽいフォト」として仕上がってくれると自分は考えている。まぁ大抵の場合どうあがいても「無香料な消臭剤の香りがする」塩梅にCG感が出てしまうのが悩みどころだが。
 
なので本記事で書く各種小技は「綺麗なCGをどうにかしてノリと勢いで馴染ませ続ける方法」を解説する記事になっている。ある意味縛り要素、趣味の領域なのでそういった物好きさんだけ読み進めて欲しい。
 

数値

数値周りは基本に近く

まず数値の基本設定だが色々参考にしつつ様々な条件下で試した結果以下の設定に落ち着いた。
 
シャッタースピード・・・10~30
・フォーカス・・・任意
・露出・・・50~90
・絞り・・・5~20
コントラスト・・・60~70
・カラー・・・50~53
・明るさ・・・50~70(コントラストより低くor同値に)
・セピア・・・0
ビネット・・・0

 

ノリとしては「コントラストと明るさでバランスをとりつつ露出を調整して最後に絞りでボカシを加えたり消したりする」という継ぎ足して継ぎ足す感じに設定にしている形だ。コントラストと明るさの力関係は「コントラストを優先」にすると上手く馴染みやすいケースが多いように感じた。

 
特に初期設定を行う際重要なのがコントラストとカラーと明るさで、それぞれ60/50/60の状態から微調整する形になる。
 
なので初期値は以下の通りだ。
 

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超重要パラメーター『絞り値』

本シリーズのフォトモードにおける「絞り値」は特に重要で、この調整次第で変化する仕上がりが非常に大きい。
 
背景のテクスチャのどうしても出てしまう粗さやポリゴンの境目など、ビデオゲームだとどうしても出てしまう「書割の綻び」を旨い事誤魔化すことが可能なため、
先の色周りの調整が初期にあらかた済ませるのに対しこちらはカメラの移動中常に調整し続ける数値となる。
 
感覚としては数値としては遠距離で5~10、近距離で20程度を目途に調整するとしっくり来やすいだろう。
 

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クルマに対して引きで撮影する際は全体が見渡しやすいように、接近して或いは一部だけどクローズアップする際はそこに焦点が定まるように撮影すると「それっぽくなる」のだ。やりすぎない程度に背景の空気感の揺らぎとして調整するとよい。
 
そしてさらにこの『絞り値』の調整の重要な役割は「車体や背景の輪郭をうまくぼかして馴染ますことが出来る」という部分だ。
 
先の遠距離でも5~10程度絞りを有効にしてるのはこれが理由で背景の木々や地面や建造物の、どうしても存在してしまう板ポリやテクスチャなどのギザギザ感を調整しうまく誤魔化すことが出来るのだ。
 

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具体的な方法というかコツはXボタン押下で行う『焦点合わせを』をタイヤ部分に合わせることだ。これによって車体全体が視認性が損なわれない程度に輪郭が背景になじみ「それっぽさ」度合いが高まる。
 
このように『Forzaシリーズ』のフォトモードにおいて、絞り値は調整は非常に重要なのだ。
 
 加えて今作は被写界深度が草原などのフィールドオブジェクトに対しても、距離に応じてキッチリと設定されるようになった。これによって車を介さなくても背景単体でも絵になるフォトを撮影できるようになり、背景単体でも焦点合わせを巧い事行ってより自然な風景撮影を行う事も出来るようになる。
 

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Forza Horizon』が4になって大きく進化した機能の一つだ。
 
 

シャッタースピード』は抑えめに

スピード感を反映するために調整する『シャッタースピード』は使いやすい反面、扱いが難しいパラメータのひとつ。
 
というのも余りにもスピード感を強調してしまうと流れる背景に対してのクルマ映り方がくっきりになってしまい浮いてるように見えてしまうのだ。勿論「レースゲームのスクショ」として残す分には別段問題ないのだが本記事の「それっぽく撮る」目的からすると聊か相性が悪い要素というわけだ。
 

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なので走行中のクルマを撮影する際のシャッタースピードの数値は「10が基本、最高でも20~30程度に抑えておく」ことが望ましく、特に車の移動方向に対して前や後ろからならやや多めに、横方向よりならやや少なめにするとうまく抑える事が出来る。それ以上は先に挙げた『絞り値』の調整で事足りる。
 
 

『露出』は思い切って上げる場合も

見づらくなるので常時使える方法とは違うのだが、露出を限界まで上げて撮影するというのも効果的な場合がある。
 
特にこの手法が機能するのは、晴天や曇天の日中に、建物や物陰など日光がさえぎられる場所にクルマを収めて撮影する場合だ。こうすることで太陽の強い光がどうしても入り込んでしまうような「それっぽい」雰囲気を再現することが出来る。
 

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物凄い感覚的な話になってしまうので実際の効果は判らないが、『明るさ』は暗いところ含めて全体をのぺっと明るく出来てしまうのに対して『露出』は何というか光源を明るくしてる感じに近く、コントラストを保ったまま調整可能なやんわりとしたHDRみたいな感じで使ってるワケだ。
 
あと明るいところで露出値を思い切って上げると「カメラ素人が光源調整をめんどくさがった結果白飛びしてしまった写真」といった塩梅の仕上がりも狙う事が出来るので「それっぽさ」撮影の際にも思い切った調整にすることがある。見辛さも「それっぽく思わせる」手段の一つなので。
 

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構図

カメラを離してズームする

構図方面でそれっぽさを強化する際に一番重要になるながこの「離してズーム」だ。基本的にこれさえやれば大抵のクルマ単体での撮影は上手くいきやすい。
 
やり方としては「カメラの位置を目標から離してその分の距離をズームで補う」という形になる。お互いの要素を打ち消し合う撮影方法なのでカメラの移動操作がややこしくなるが、これを行うだけでクルマの実在感というか仕上がりの「それっぽさ」がグッと加速するのでおススメだ。
 
困ったらとにかくこの方法を活用してみるのも良い。
 

 

また、撮影時の立ち位置の調整も考えておくと「それっぽさ」が増すことも付け加えておきたい。
 
というのも実際に「自分がその場に立ってると考えながら」カメラ位置や無理のない高さや撮影位置を意識する方法だ。すっとんきょうな撮影方法に聞こえるがこれが意外と効果的に機能するのだ。
 
というのもゲームのフォトモードはカメラ移動が手軽な反面どんな角度どんな立ち位置からでも撮影出来てしまい、例えば高速で走ってる車を追いかけてるのにスレスレの位置から写真してるようなフォトになったり、高さ的に無理のある位置や場所から撮影を行ってしまったりなど、気付かないうちに非現実的なスクリーンショットが撮影されてしまう事も多いのだ。
 

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これを避けるために例えば歩道からカメラを移動してクルマに向けてズームしたり、草むらの中から撮影したり、止まってる状態のクルマを少し上から俯瞰するように撮影するなどカメラ高さやカメラ位置を意識しておくとより「それっぽい構図」が見つかりやすくなるだろう。
 
「離してズーム撮影」と「実際の立ち位置を意識する」のふたつはゲーム内フォトにおいて構図を決める中でも、特に重要な概念として考えている。
 
この方法は引きで撮影する際も効果的に機能するので遠距離からの撮影時も出来る限りズーム倍率を上げるようにしてみると結構いい感じになるのだ。
 

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車体に光沢を貯め込むように撮る

クルマの艶やかさを浮き立たせる際に「光沢を貯める」ように構図を決めると上手くいきやすい。特に曲面主体のクルマを撮影する際は考えておくと良い要素の一つだ。
 
「光沢を貯める」というのは日光や木漏れ日や街灯などを「車体にたくさん反射させる」ような状態の事だ。
 

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こうしてクルマのてっかてか具合を活かそうと考えてカメラを動かし続けると、結構いい感じにクルマの方からベストアングルに誘導してくれるので、特に曲面の流麗さが際立ってる機体ほどこの手法は効果を発揮しやすくなる。P4やGT40とかミウラとか
 
もちろん場合によっては「それっぽく」撮影する際にむしろ逆効果になるケースもあるのだが基本的には輪郭を誤魔化すことが出来るし、何よりクルマの魅力を引き立たせることが可能なのでまず狙っておいて問題ないだろう。また、光沢以外にも影や背景の反射等も車体に貯め込む事でよりクルマに対しての現実感や情報量を増やすことが可能なので積極的に狙っていきたい。
 
狙いどころとしては日中の撮影は勿論、夜間で雨天の市街地で撮影する際にもこの方法は効果的だ。
 
特に本作は英国の伝統的な街並みの中で走ることが可能なのでレンガや石造りの情報量をクルマに反映させると「それっぽく」なるのも強い点だし、前作Forza Horizon 3で積極的に狙えた木々の反射も健在なのでクルマに落ちる影と一緒に収めてみると楽しく撮影が出来るだろう。
 

斜め視点は諸刃の剣、出来れば避けたい。

LBやRB押下で調整できる横方向の回転を用いると臨場感を容易に付ける事が出来る。だがその反面お手軽さも出力結果として目に付いてしまう機能でもあるのだ。
 
これは「綺麗なゲームのスクリーンショット」として撮影するなら寧ろ効果的な機能ではあるのだが、本記事で目的としている「それっぽい撮影」とは相性の悪い機能でもある。
 
また、この機能を中途半端にやってしまうとなってしまうと構図として選択肢が狭められてしまうようなケースに行き当たり易くなるだろう。なので例えばスピード感を出す際のフォトを撮影する場合でも出来る限り水平に近い構図を選んだほうが事故が少ない。たとえ傾けるにしても10度くらいまで、もしくは微妙な起伏を打ち消すくらいにしておくに越したことはない。
 

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それくらい「それっぽい」撮影をする際において斜め視点とは出来る限り避けたい撮影方法なのだ。
 

ドライバーの目を隠すようにする

Forzaでクルマ撮影をする際に地味に悩みどころなのが「中のドライバーの存在」である。
 
というのもクルマ自体のポリゴン数に対して明らかにドライバーのモデリングはリソースが節約されており、特に目力が凄まじかったりと撮影時に地味にかなり目立ってしまう要素なのだ。しかも大抵真顔だし。
 
なのでうまい事中のドライバーの存在感を和らげるのも本シリーズで「それっぽく撮影」する際にやっておきたい作業になる。
 

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例えばクルマに落ちる影や光沢、ガラスに映る反射や、バックミラーやピラー、舞っている枯れ葉やガガイモの綿毛種などを駆使しつつカメラアングルを調整して目元だけでも隠すことで「それっぽさ」を維持することが出来るので、上手いこと隠すようにしよう。
 
(ただ今作はアバターシステムが大幅に強化されており、ドライバーの服装もカスタマイズすることが可能になったためヘルメットやサングラスなどの装備があれば装備しておくと良いだろう。前作のアバターでもグラサン装備あったし多分顔隠せる服装とかあると信じたい・・・)
 

その他Tips

テクスチャは天敵、境界も天敵

他に細かい点としては「出来る限り地面や建物のテクスチャを見せないようにする」という部分がある。
 

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葉の周辺はポリゴン感が見えてたりするし地面のテクスチャも見え隠れする例
 
地面や建物のテクスチャはシリーズを追うごとにリアルになってるとはいえ、ちょくちょくテクスチャのテクスチャ感が出てしまっている箇所が存在するのでそころ雑草や絞り値を駆使して不自然にならない程度に暈しておくとより「それっぽい」スクリーンショットを作りやすくなる。
 
また植物や木々の生え際や道路とフェンスの接続部分なども「ポリゴンの境目」として割と処理が見えてしまう箇所がいまだに存在する、というか細かいオブジェクトに対してひとつひとつ自然な影を設定するのは今世代機になってもまだまだ手間のかかる難しい領域なので、フレーム外からの植物で足元を隠すなどしてこちら側でうまいこと処理しておくと良いだろう。
 

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ようは「よく見たらこれCGだ」と分かってしまうような綻びを、構図と相談しながらひとつひとつ潰していくような感じで調整していくと良いわけだ。どうしても出てきちゃうときは出てくるんだけどね・・・。
 

ハンドルを切ったまま撮る

静止状態のクルマで撮影を行う際はタイヤをまげて撮影するのも「それっぽく」面白い写真が撮るので、撮影角度によってはおススメしたい小ネタの一つだ。
 
やり方は説明するまでも無いがスティックを右か左に入力したまんま十字キー↑を押下してフォトモードに突入するだけで良い。これを行うことでホイール部分をアピールすることもできるし、微細な動きも出す事が出来、加えて先に挙げたドライバーの目力も明後日の方向に逃がす事が出来るので地味に効果的だ。
 

晴天はチャンス、雨天と夜間もチャンス、曇天は大チャンス

クルマ撮影に適した天候や時間帯は何時か?結論から言えばどの天気も時刻も美味しいポイントがあるので捨てがたいというのが正直なところ。
 

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晴天はストレートに車や木々を浮かび上がらせることができるし、雨天時はクルマや路面の濡れに光沢を貯め込み雰囲気を出す事が出来るし、朝方の湿度のある空気感のなか構図を決めるのも悪くないし、夜間の街中で煌びやかさも狙ってみたい。Forza Horizonではどの天気も見所が存在するのだ。
 
だが個人的に見逃せない天気は「日中の曇天」である。というのも曇天時の均一化した太陽光は嘘っぽさが逆に生々しさへと転化しクルマを撮影する際の「それっぽさ」が特に効果的になるのだ。もし遭遇した際はカメラを構えてみて欲しい。
 

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また、FH4の天候システムには手が加えられており、特に一週間ごとに季節が変化する四季システムの実装は非常に大きい。
 
今まで追加エリア扱いだった路面状況の大幅な変化が同一フィールド上で反映されるようになり、ログインした際に季節ごとの写真撮影設定を都度考える必要が出てきたわけだ。自分の理想の天候が来るまで、あるいは現状の天候でどう上手く撮るかといった部分にさらに捻りが加わったというわけだ。
 

グラフィックモードはどちらにするか

XBOXONEXで遊ぶ際は設定画面から、4K画質(3840*2160)+エフェクトマシマシの30fpsモードと、FHD画質(1920*1080)+エフェクトそこそこの60fpsモードの2つから選ぶ事が出来る。
 
 
基本的には60fpsモードでもエンハンス対応前の前作並みのグラフィックを実現しているので、そこまで問題が無いどころか貼り付くような60fpsの滑らかさも凄まじく寧ろおススメなのだが撮影主体で考えるならパフォーマンスモードが望ましい。というのも解像度やオブジェの精細さに加えて「影の表現」に明確な差が存在しており。特に「自車のヘッドライトでオブジェやクルマに影が反映されるようになった」という進化点は見過ごせない。
 
 
 

まだまだ色々手法が埋もれてるはず

以上で自分が使っている手口の殆どは挙げきったつもりだ。ただ本記事で書いた殆どは前作の仕様準拠で見出したものばかり、本作を遊ぶ過程でまた新たな撮影のコツが出てくる筈なので製品版発売の暁には更なる試行錯誤を行うことになると思う。
 
それでも写真撮影の方針に悩んでいる際の参考になれば幸いです。
 

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余談

 
本編で流れるこの曲すき

スプラトゥーン2DLC『オクト・エキスパンション』がシングルモードとして非常に「えもい」仕上がりだったから遊んでくれ

 

 
まず本作を未プレイ、あるいは未クリアの方は本感想記事を読むことはお勧めしない。ビデオゲームはじめエンターテイメント作品の強さとは体験そのものであり先に種も仕掛けも知ってしまう事はその強みをスポイルさせてしまう行為に他ならないからだ。
 
スプラトゥーン」のシステムデザインとはどれもプレイヤーを迷わせないよう抑え込む「安全装置」としても機能していた。LZ+RZ同時押しによる任天堂おなじみの起動方法に始まり、プレイヤー全体のプレイ傾向を誘導する為のレベル製武器アンロックシステム、ジャイロ操作時にロックされる右スティックの上下入力、人口分散を抑える為の種類の少ないマルチプレイルール、ステージローテーション、毎週の武器追加、そして操作感を把握させるためにのみ存在したシングルプレイヤー。
 
そう、スプラトゥーンのキャンペーンとは基本的な使用感を把握する為、もしくはキャラクターのちょっとした掘り下げの為の豪勢なチュートリアルとしての機能以上の意味は無かった。本来であればそれでじゅうぶんであった。しかし前作スプラトゥーンのシングルキャンペーンは(開発スタッフ曰く「歌の力に頼った」とのことだが)BGMのキャッチ―さと演出の噛み合い具合が高いレベルで纏ってしまい、結果リアルイベントで単独ライブが開催されるなどの大番狂わせを生み出してしまった。
 
そういった流れを経て今回ニンテンドースイッチにて発売された『スプラトゥーン2』のキャンペーンなのだが、筆者のプレイ後の感想としては盛り上がりこそしたものの前作を知ってるからこそ「まーまーおもしろい」の域を出なかったものとして映ってしまった。おそらく『スプラトゥーン2』のキャンペーンは2から開始した人向けにも配慮した結果なのだろうが、目的を分かりやすくした結果前作と同程度の盛り上がり演出、悪く言えば前作プレイヤーからしたら「まぁこんなもんだよね」的な納得を以て目新しさのないものとして映ってしまったことも否めない仕上がりとなってるように感じたのだ。前作を踏まえての期待感というのはこうも厄介なものか。
 

 
そんなこともあって、折角の新キャラである海鮮系アイドルユニット「テンタクルズ」も素のスプラトゥーン2を遊んでいる限りは開始時に愉快なやり取りを行う以上の印象を見出してなかったわけだが、今回のDLC『オクト・エキスパンション』でこの些細な不満点はついに消し飛んでしまった。それほどまでにキャラクターの掘り下げやステージの難易度の作り込みや演出の丁寧さが素晴らしかったのである。
 
というわけでスプラトゥーン2 DLC 『オクト・エキスパンション』をクリアした。といっても寄り道ほぼせずラストまで直行したので現在進行形でステージの遊び込みはまったりと進めている。
 
本作を攻略するさい特に中盤以降のその完成度の高さとゲーム内の状況から遊び手側への感覚の没入感の強烈な提案具合に感心した限りだった。そしてそのまま勢いで最終ボスを倒し、改めてその内容や自身のゲームプレイを振り返った際「ひょっとして自分は恐ろしいものを触ってしまったのではないか?」と後になってじわじわと実感が伴ってきた。今回の記事はそういった滲み出てきた実感を文章っぽい何かに仕立て上げたものである。
 
先ほども書いたが、本記事はスプラトゥーン2は『オクト・エキスパンション』のネタバレ要素を大量に含んでいるので未クリアの人はちゃっちゃと戻ってオクトボールを守り抜く作業に戻る事をお勧めしたい。シナリオと演出とシステムが密接に絡み合った本作を語る上で、本編のネタバレ部分抜きに語ることは事実上不可能だからだ。

海賊生活シム『Sea of Thieves』 は結局何をするゲームなのか?快適に航海する為の覚え書き

『Sea of Thieves』の発売が3/20に迫っている。本作はバンカズやゴールデンアイピニャータやコンカーなどでおなじみのレア社が長い時間をかけ作り上げた海の表現が特に素晴らしいオンライン航海探索ゲームで、海賊生活ごっこを楽しむ事が目的の作品となっている。対応ハードはWindows10とXBOXONE
 

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本作はひとつひとつの動作が大掛かりな船舶を操作し時には宝探しを行い、時には運送を依頼され、そして時には賞金首を撃退するなどと言った様々なミッションが用意されている作品となっているのだが、具体的に本作はどのように操作を行いどのように目標を達成し、最終的に何が手に入るのか?いまいち伝わり切って無いと感じた部分がある。勿論手探りでそういったものを見つけていくのも楽しいのだが英語版という事もあり中々骨が折れるだろう。

 
今回、βを遊んだ範囲ではあるが自分が遊んだ感触のおさらいを兼ねて具体的に何をするか、どう操作するのか、そしてこういった場合自分はどうしたのかといった部分をザックリとではあるが記事として纏めてみた。
 
  • 何をするゲーム?
    • 海賊ごっこ
    • 宝さがし
    • 港に帰るまでが海賊です
    • 強化要素は見た目装備メイン
    • 1人でもオッケー
  • 全体の流れ
    • エスト受注
    • 船舶操作の流れ
      • イカリを上げろ!
      • 帆を張れ!
      • 舵を取れ!行き先を示せ!
    • 宝入手の流れ
  • 知っておくと便利な事とか
    • クイックチャットは持ってるもの使ってるものに応じて変化する
    • 大砲の玉と修復用の板は常に持っておこう
  • こういう場合どうする?
    • ヤバい!浸水した!
    • 換金しようにも別勢力の海賊が待ち構えてた!
      • 戦う、遠距離からフルボッコにする
      • 逃げる
      • 楽器で気を引く
  • まとめ
  • 参考になる日本語記事一覧
 

『ゼノブレイド2』の戦闘システムが中毒性凄まじく、もう200時間も遊んでるって話をしたかった

 
ゼノブレイド2』のプレイ時間が200時間を超えた。進捗状況としてはドライバーレベルカンスト、レアブレイドフルコンプ、全レアブレイドの武器をタキオンチップに変更、主要ブレイドキズナリング開放状況8割強、ナナコオリさんまだレッスンから帰ってこないといった感じである。まだまだやることは多いしここまでモチベが続いてることに驚かされてる。
 
本作はその広大で美しいフィールドや魅力的なキャラクター、深みがあり幾重にも山場が用意されているストーリー面も素晴らしいが、バトルシステムにのみ目を向けてみても本作は的確な操作を行う際指先が擦り切れるほど忙しく、奥深く、爽快で、全てが巧く噛み合わさった際のカタルシスは言葉に出来ない程の楽しさを秘めている。
 
本作の戦闘システムは非常に楽しいのだ。
 
今回はリアルタイムコマンドRPGとしても特徴的な『ゼノブレイド2』の戦闘システムについて、大まかな流れから戦い方の勘所まで簡単にではあるがその魅力を伝えてみることにした。ネタバレ要素は極力消したつもりなのでたぶん大丈夫だと思う。
 
本記事を読んで自分と同じように任天堂タブレットに数百時間を注ぎ込む方をひとりでも増やす事が出来るのなら願ったりである。おいでよ全属性フルバーストチェインアタックの沼。
 

 

絶対に滑らない『スーパーマリオオデッセイ』のお話、或いは3Dアクションにおける「地形」の歴史について

まず最初に白状すると『マリオオデッセイ』について、何かしら感想めいた記事は書くつもりはなかった。
 
というのも、まず発売されたら遊ぶことに専念してしまい文章を認めてる暇なんか出来ないだろうと薄々予想はしてたし実際そうなってるし、加えて本作は事前情報やインプレッションの時点で明らかに名作の予感ぷんぷんだったし、今年のGOTYはマリオかブレワイかといった様相を呈してるし、今までの集大成として出来上がった3Dマリオである本作について今更自分が語ることなどないだろうしと、そう思っていたからだ。
 

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しかし残念なことに面白い作品というモノは遊んでいくにつれて、その出来上がりの精巧さを実感させられ、気付いたものは思わず片っ端から誰彼構わず語ってしまいたくなり、過去作を振り返りながら本作を遊んでいると更なる発見が存在し、そういったのが積み重なるともう所構わず書き連ねその中で核になりそうなものが出てきてしまうと、そこからとっかかりが出来てさらなる「気付き」が出てきてしまう事が殆どだ。つらい。
 
こうして遊んでいて「気付き」が出来てしまったらとりあえず(公開するかしないかは別として)文章に纏めたくなるわけで、そういうわけで遊ぶことに専念したい欲望を泣く泣く我慢して文章にまとめてみたら意外と文字数溜まってしまったので、それなら体裁整えて今回の記事に仕立てや・・・仕立てあげてやんだよというアレで出来上がったのがこの記事です。
 
今回の記事では「滑る」という動作や操作そこから読み取ることが可能な3Dアクションにおけるひとつの切り口を分析していきたい。加えて、3D箱庭マリオ最新作である『スーパーマリオオデッセイ』においてこれらの要素が「転がる」というアクションに置き換わった事でどう変化したのか、という部分についてを語っていきたいと思う。
 

『シャドウ・オブ・ウォー』が実現した「自らの手で物語を作る」というナラティブデザインについて語りたかった

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ゲーム作品において本当の意味で「プレイヤーの数だけ存在するシナリオ」というのは実現可能なのだろうか?
 
この手のキャッチコピーは自由度の高さアピールとして存在する謳い文句だが、殆どの場合はその選択肢の掛け合わせによる単純計算での掛け算であるというケースが往々に存在しており、結局のところその表現の幅というのは極めてコンパクトに収まっているのが現状である。
 
また「ナラティブ」という言葉が市民権を得ている昨今ではあるが、大抵はNPCやギミックが織りなすハプニングやアクシデントを指したものであることが殆どを占めることが多いだろう。プレイヤーの目の前で展開される物語というのはつまるところランダム発生のイベント、AIパターンの掛け合わせでしかないというケースは往々にして存在する。勿論これはこれで十分凄いし、基本的には短期的なそれらだけで遊んでいる際は満足出来てしまうことが殆どだろう。
 
しかし、物語としてのナラティブ、つまりセリフや名前のあるキャラクターを絡めた物語生成という物まで考えていくとシヴィライゼーションをはじめとしたシミュレーションゲーム以外で実現している以外には、存在しているとは中々言い難いのが現状である。現状、物語としてのナラティブは盤面を見下ろした際のコマの動きの組み合わせとしてしか楽しめないというのが大抵の場合なのだ。
 
ゲーム作品において「自由度の高いオープンワールド」とはなんだろうか?
 
例えば『マインクラフト』なら無制限に広がるフィールド上のありとあらゆるオブジェクトに対して恒久的な変化を加えることが可能で、その世界で狩猟や農耕、探索そして建設などを駆使して生活するという方向で究極の自由度を実現している。また『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』ではオブジェクトに対して属性を付することによってより自由度の高いエレメントの組み合わせによる遊びの幅の拡大に加えて最終ボスへの到達すら開始直後にアプローチできるほどの「アプローチやミッション構造によるプレイ時間の自由度の幅」を確保することでプレイヤー自らが作り出すシナリオという、オープンワールドである理由が納得できる自由度を確立することに成功している。これらが所謂自由度の高いオープンワールド作品の決定版として成立している事に疑いの余地は恐らくないだろう。
 
だが、こういったアプローチ以外で、オープンワールド作品がオープンワールド作品である意味があるほどの、それが広大な収穫場やアスレチックであるだけではない、オープンワールドである理由を説明できるシステムやシナリオ構造を用意したオープンワールド作品を作ることは実際のところ可能なのだろうか?
 
もちろん存在する、それが今回紹介する『MIDDLE-EARTH: SHADOW OF MORDOR』とその続編『MIDDLE-EARTH: SHADOW OF WAR』なのだ。本作は指輪物語フランチャイズのゲームという立ち位置だが正直なところ原作を知らなくてもゲーム内だけで目的や目標がハッキリしており、単体として面白い仕上がりとなっている作品だ。
 
今回は、『シャドウ・オブ・ウォー』と前作『シャドウ・オブ・モルドール』が「オープンワールドアクションRPG」というフォーマットに於いて「ストーリーテリングとしてのナラティブ」という課題はどのように実現できているのかについて語っていきたいと思う。