GAME LIFE HACK

ゲーム生活、少し変えてみませんか?

スプラトゥーン2DLC『オクト・エキスパンション』がシングルモードとして非常に「えもい」仕上がりだったから遊んでくれ

 

 
まず本作を未プレイ、あるいは未クリアの方は本感想記事を読むことはお勧めしない。ビデオゲームはじめエンターテイメント作品の強さとは体験そのものであり先に種も仕掛けも知ってしまう事はその強みをスポイルさせてしまう行為に他ならないからだ。
 
スプラトゥーン」のシステムデザインとはどれもプレイヤーを迷わせないよう抑え込む「安全装置」としても機能していた。LZ+RZ同時押しによる任天堂おなじみの起動方法に始まり、プレイヤー全体のプレイ傾向を誘導する為のレベル製武器アンロックシステム、ジャイロ操作時にロックされる右スティックの上下入力、人口分散を抑える為の種類の少ないマルチプレイルール、ステージローテーション、毎週の武器追加、そして操作感を把握させるためにのみ存在したシングルプレイヤー。
 
そう、スプラトゥーンのキャンペーンとは基本的な使用感を把握する為、もしくはキャラクターのちょっとした掘り下げの為の豪勢なチュートリアルとしての機能以上の意味は無かった。本来であればそれでじゅうぶんであった。しかし前作スプラトゥーンのシングルキャンペーンは(開発スタッフ曰く「歌の力に頼った」とのことだが)BGMのキャッチ―さと演出の噛み合い具合が高いレベルで纏ってしまい、結果リアルイベントで単独ライブが開催されるなどの大番狂わせを生み出してしまった。
 
そういった流れを経て今回ニンテンドースイッチにて発売された『スプラトゥーン2』のキャンペーンなのだが、筆者のプレイ後の感想としては盛り上がりこそしたものの前作を知ってるからこそ「まーまーおもしろい」の域を出なかったものとして映ってしまった。おそらく『スプラトゥーン2』のキャンペーンは2から開始した人向けにも配慮した結果なのだろうが、目的を分かりやすくした結果前作と同程度の盛り上がり演出、悪く言えば前作プレイヤーからしたら「まぁこんなもんだよね」的な納得を以て目新しさのないものとして映ってしまったことも否めない仕上がりとなってるように感じたのだ。前作を踏まえての期待感というのはこうも厄介なものか。
 

 
そんなこともあって、折角の新キャラである海鮮系アイドルユニット「テンタクルズ」も素のスプラトゥーン2を遊んでいる限りは開始時に愉快なやり取りを行う以上の印象を見出してなかったわけだが、今回のDLC『オクト・エキスパンション』でこの些細な不満点はついに消し飛んでしまった。それほどまでにキャラクターの掘り下げやステージの難易度の作り込みや演出の丁寧さが素晴らしかったのである。
 
というわけでスプラトゥーン2 DLC 『オクト・エキスパンション』をクリアした。といっても寄り道ほぼせずラストまで直行したので現在進行形でステージの遊び込みはまったりと進めている。
 
本作を攻略するさい特に中盤以降のその完成度の高さとゲーム内の状況から遊び手側への感覚の没入感の強烈な提案具合に感心した限りだった。そしてそのまま勢いで最終ボスを倒し、改めてその内容や自身のゲームプレイを振り返った際「ひょっとして自分は恐ろしいものを触ってしまったのではないか?」と後になってじわじわと実感が伴ってきた。今回の記事はそういった滲み出てきた実感を文章っぽい何かに仕立て上げたものである。
 
先ほども書いたが、本記事はスプラトゥーン2は『オクト・エキスパンション』のネタバレ要素を大量に含んでいるので未クリアの人はちゃっちゃと戻ってオクトボールを守り抜く作業に戻る事をお勧めしたい。シナリオと演出とシステムが密接に絡み合った本作を語る上で、本編のネタバレ部分抜きに語ることは事実上不可能だからだ。

 

 
 

1秒が長い距離感

まず、本作が描いてるナラティブ性の高さ(あえてこう書く)を語る上でまず欠かせないのは難易度の高さだ。
 
任天堂公式でもしばしば言及していた部分であるが本DLC『オクトエキスパンション』は大変歯ごたえのある調整となっている。特にミスに対してナマコが容赦ない。
 
例えばエイトボールと呼ばれる巨大な球を落とさずに目的地まで持っていったり、地面のインク含めて一回も被弾せずに最終地点まで向かったり、インクレールに乗り高速移動しながら道中の的を正確に撃ち抜いたり、インク回復なしで謎を解き続けたりと、とにかく正確な操作と状況判断が求められるステージがほとんどを占めている。
 

 
同時に、本作の難しさの塩梅とは光明が見えない無理ゲーとしての難しさではなく、絶妙に届かない「あと1秒が長い、あと1個が遠い」といった目的がハッキリ見えた状態の高難易度として設計している。ひとつひとつの高難易度なステージは全体的にコンパクトに纏っており、ブレスオブザワイルドの祠づくりを髣髴とさせる構造になっているのだ。
 
加えて各面の物理的な長さにはそれぞれバリエーションがあり、結果長いステージや短いステージのどちらもが用意されているのだが「長いステージは比較的容易に、短いステージは比較的難易に」という作りがされているので、遊ぶ際の集中力への刺激具合も申し分なく(まだ全てをクリアしているわけではないとは言え)面ごとの難易度設定ひいては体感的な長さは常にバランスよく作られているように感じた。そうは言ってもジョシリョ区はいやーきついっス・・・
 
このように高難易度なステージが殆どを占める『オクトエキスパンション』だが、その難しさを以て任天堂はどういったストーリー体験をプレイヤーに与えたかったのだろうか?未プレイのそこのあなたは今すぐ引き返せ。知ればお前も戻ることは云々
 
 

サンプリング文化

恐らく多分100万人くらい指摘してる部分だろうが本作のシナリオ展開の根幹は(狙っているかどうかを別にして)Portalを思い出す作りとなっている。
 
目覚めるなり訳も分からずテストを受けさせられる部分や何処までも無機質にこちらをすり潰しにかかってくる部分などアパチャーサイエンスめいてるし、胡散臭い甘言でこちらを誘惑してくるデンワはGLADOSだし、極めつけが4つのアレを入手した際に起きる主人公への仕打ち、これとかホントPortalでテストを完了した被験者の状況を思い出して懐かしい気分になった。当時は若くケーキに踊らされてました。(英語圏で本作の収集アイテム「ネリメモリー」は ”Mem Cake” とローカライズされてるそうで)
 
 
では本作は剣先からゲソまで「Portal」めいてるのかというと必ずしもそうではない点にも触れておきたい。前作主人公の登場や開発者インタビュー含めいままでウヤムヤになってたイカとタコの関係性や各キャラクターの掘り下げなどキャラクター方面での描写もゲームプレイを阻害しない範囲で最大限描いる部分もそうだが、なにより「忘れ去られた遺物と対面する」という描写が本作をよりユニークなものに仕立て上げている。
 
本作のアートワークは全体的に古さとも懐かしさともつかない塩梅の様々なポップカルチャー文化をごたまぜに練り上げた作風が特徴的だ。元々『スプラトゥーン』のヒーローモードはステージそのものや背景オブジェクトが宙に浮いてるというマグリッド的なシュールな表現が採用されていたのだが『オクトエキスパンション』ではそこにかつて存在したものを配置することで、より、ホラーとも違う悪夢感の強い表現が為されている訳だ。
 

 
Lo-Fiなサウンドに記憶の残滓として漂ってたものを散りばめることで産まれる独特のアートワーク。それが今作『オクト・エキスパンション』で評価したい部分のひとつだ。
 
ビデオゲーム作品においてシュルレアリスムをアートワークの根本にしたというケースは過去にも多数存在している。例えばICOのパッケージアートはデ・キリコからの影響が出ているのではないかという分析はしばしば存在したし。そもフィールドや各種オブジェを宙に浮かせるというアートワークはビデオゲームはカメラにおける壁やオブジェクトの表示数などの問題を根本から解決するための方法として極めて都合が良い方法であり自然と行きつく技法であるわけで、こういった表現方式は今後も出続けるものと考えられる。閑話休題
 
 
さて、本作のアートワークを分析するにつれてしばしば目にした単語として『Vaporwave』というジャンルが存在することを知った。80~90年代の忘れ去られた何かしらとスローダウンなミュージックの練り物として使われた点や各演出がブラウン管時代のテレビ画面のような表現が採用されていた理由など大変得心が行った。ストーリー方面の根底に存在する示唆の分析のひとつとしてこちらのまとめが非常に読み応えがあり大変オススメだ。
 
 
あと情報集める過程で見つけたものとか
 
 
 

オクトはなぜ難しいのか?

では『オクト・エキスパンション』の難易度はなぜここまで高いのだろう?ここまで物語性を作り込んだのであれば容易に進み続けることが出来た方が良いのでは?そこには「体験としてのゲームストーリー」を実現しプレイヤーを熱り立たせる為の重要な最後の無花果の葉が存在する。
 
そもそも大前提として達成感のあるボスやステージを作るためにはプレイヤーは強くなければならない。
 
プレイヤーを強くするにはどうするか?まずはシステム面での強化だ。RPGで言えばレベルであり、アクションゲームであれば武器のコンボの強化、SLGでいえばユニット数の増加など、システム面で数値を増加させる手段を用意することで強大になっていく状況や敵に対して説得力を持たせるアプローチが出てくるわけである。
 
もう一つのアプローチがプレイヤーそのものへのスキルの精度を高めさせる比率を上げる点だ。
 
これだけ書くと普通に見えるかもしれないが、大抵のアクションゲームの難易度曲線の設定方法は緩やかであり、大抵はギミックの複雑化や増加によって難易度が上がったように感じさせていることが多く、プレイヤーのゲームへの慣れと操作制度の上昇それ自体は緩やかに相関するように出来ているものが殆どである。特に任天堂作品ではしばしばこのギミックの提示から徐々に応用を利かせ最後のオチに持っていくというステージデザインを短いサイクルで採用する状況が多い。
 
だからこそそうでないゲームが巷では死んで覚えるゲーム、所謂「死にゲー」と呼ばれひときわ目立つわけだ。
 
スプラトゥーン』並びに『~2』の『ヒーローモード』はどちらかと言えば「ジャイロエイムでの操作」や「スプラトゥーンというゲームそのもの」に慣れるために設定されていた難易度設定だった。故に先に挙げた「ギミックの複雑化」を以てステージのバリエーションを増やし、それに対する精度や対策を要求する仕上がりとなっている。だからこそ難易度曲線は緩やかであり人によっては退屈に映ってしまうのも無理のないものとなってしまっている。(武器のステータス強化システムが実装されてることもその傾向に拍車をかけている)
 
対して『オクト・エキスパンション』はスプラトゥーンのイロハを把握したうえで、更なる操作精度の追求や小技の使用や対策といったものが求められるレベルデザインとなっている。ステージによってブキが指定されることに始まり、ありとあらゆる種類のサブウエポンを使いこなすことが要求され、様々な状況でのエイムやインクの厳密な管理、射撃位置の調整と物理演算の把握など様々なスキルが要求されるのだ。(難しかったら飛ばしていいんだよという京都流の皮肉も健在だ)
 

 
更に重要なのが『オクト・エキスパンション』が前半のテストチェンバーと後半の脱出パートという二部構成になっている点だ。
 
先ほど『オクト・エキスパンション』のレベルデザインはプレイヤースキルを過激に重視していると言ったが、実は後半の脱出パートに関して言えばその限りではない。ステルスで潜伏することに始まり、サブウエポンのみで切り抜け、スペシャルのみでダイナミックに進み、拠点を守りつつ敵を倒し続ける等といった様々なギミックが用意されているステージ構成となっている。
 
アクションゲームでしばしば出てくる問題なのだがスクリプトに頼らず演出やストーリーを重視させようとすると往々にして「別ゲーと化してしまい翻弄される」問題が発生することがしばしば存在する。例えば長距離を移動させるために運転要素が追加されたり固定砲台シューティングとして変化してしまったり、生き延びるためにステルスゲーとしての要素が表に出てきたり逆に今までに無いほど派手に銃撃戦闘する必要があったり等々だ。長くゲームを遊んできた人ならいくつか思い当たるものがあるだろう。
 

 
だが『オクト・エキスパンション』後半パートで半ば別ゲーとして片足踏み込んでるようなギミックに対しても問題なく進めることが出来るようになっている。それは前半のテストチェンバー部分でこれでもかとナマコに爆破されつつ鍛えられた結果だからである。本作をクリアするにあたり4つのアレが隠されてる場所を探すために様々なテストをこなす過程で多岐にわたる課題を達成させられたメタ的な理由はそこにある。盛り上がりを作るためにはプレイヤーは強くなければならないという前提を本作ではスパルタな手法で実現しているわけだ。
 
加えて本作のレベルデザインの秀逸な部分として後半の難易度が前半より易しく設定されているという部分がある。後半のステージは背後の状況こそハードなものの根本の制限は前半のそれより緩く仕上がっている。時間制限もないし被弾しても隠れれば回復するしインクも実質無制限だ、武器こそ徐々に入手していく形式だが、相手側の攻撃の勢いも割と優しいしチェックポイントも細かく設定されている。前半で鍛えられたと体感させる為のダメ押しが設定されているのだ。
 
前半での高難易度な訓練と後半の実践時の難易度の抑制。それこそが本作のレベルデザインをより品質の高いものに仕上げている重要な要素というワケだ。「達成感」という言葉が陳腐化して久しい昨今だが、本作はまさにそれを実感できる絶妙の難しさを用意してくれている。
 
あと、全てが明らかになった末の最終決戦の描き方も大変イカしてる。
 
超個人的な感想というか嗜好の話になるのだが、自分が殊ゲームを遊んで否が応でも盛り上がってしまう演出の傾向として「普段見慣れ切ったその作品を特徴付けるシステムやインターフェースがここ一番の場面で捻りを利かせてプレイヤーに投げつけてくる」といったシステムやUIが伏線として機能するものがある。
 
他作品のネタバレ込み込みで話すとざっと思いつく中でも(イカ反転)HALO:Reachの生き抜け、ベヨネッタのボタン連打時の∞表記、RYSEの連続フィニッシュムーヴ、メタルギアライジングはエクセルサス戦の斬撃トドメ、ゼノブレ2のプネウマ覚醒によるコンボルートの自由化、Undertaleの壊されるMERCY、カービィ64のつづける・がんばる等々。最近だとマリオオデッセイの最終面でクッパをキャプチャーして脱出するくだりがもう今までの因縁やら伏線やらが一気に思い出して感情が物凄いことになってた。
 
そして『オクト・エキスパンション』ラスボス戦においてもこれらと同様にラストに至る道中経験したものを伏線とし、さらに本編のメインコンテンツで用いられてる演出回りを徹底的に組み込んだギミック重視でありつつスキルを要求される一連のシーケンスは本DLCの高難易度に真正面からぶつかってきた人であればあるほどより感慨深い遊後感を得ることが出来る。。
 
 
ライドレールに乗ってマト当てをする制限時間付きのイベント寄りギミック戦闘となっておりそういった類の演出が大変効果的に組み込まれており、、ラストに至るまでゲームプレイやシステム表示を伏線とし遊んでいたゲームモードの表現を織り交ぜつつ、道中で鍛えられた各種スキルを駆使して攻略に臨む一連のラスボス戦のシーケンスは、
 
え?BGM?888.8億点に決まってんだろサントラ買うわこんなん。
 

語らず示す

本作は全体的に「忘却されかけたものを思い出させる」という一点に演出が集約されている。それは死語まみれのステージ名にはじまり微妙に古いものが浮かび上がる背景オブジェクトやチャット部屋風味の会話パートなど多岐にわたる。先に挙げた『Vaporwave』が80~90年代の何かしらを寄せ集めて再構築するというコンセプトと極めて親和性が高く、本編に採用されたのではという分析も納得性が高いわけだ。
 
そして忘れたものを思い出させる示唆は終盤にかけても同様である。後半パートでは内蔵の名を冠したステージを巡っていく。そこではイカやタコには存在しないはずの骨や横隔膜等の部位が徐々に目立ち最終的に脊椎の名を冠するエレベーターを戦いながら昇っていくわけだがその先に待ち受けるのはかつて地球を支配していた種族「ジンルイ」の遺した遺産であることが判明する。これには本当に驚いた。
 

 
スプラトゥーン」の世界観は(異星文明同士の争いに巻き込まれたりマルチバースジョイントが発動したのかは定かではないが)人類が滅亡したあとの地球であることはゲーム内の資料はじめ何かしらの情報で開示されていたのだが、その設定は本編で使われる事は殆ど無くあくまでフレーバーとしての役割以上は与えられていなかった。
 
結果、かつて存在した人類と呼ばれる存在は普段のゲームプレイでは殆ど忘れ去られるものとして存在することとなり、『オクト・エキスパンション』のストーリーとして設定されてるであろう「忘却されかけたものを思い出させる」というコンセプトの集大成が最終ボスとして特に極めて効果的に機能しているのだ。
 
そして最終ボス戦の過程で人類の文化として芸術(物理)が過去から襲い掛かってる状況を新世代の文化として歌声(物理)をもって対抗する一連の流れはもう「えもい」の一言に尽きる。
 

 
なんかこーして書いてみると対立構造に差異があるとはいえ、インクリングがUNSCでオクタリアンがコヴナントと考えるとシャケは理性あるとはいえ割とフラッドだしニンゲンはフォアランナーかプロメシアンと換言することが可能なワケで。改めて思ったが技術的には成長過程の自軍と過去の遺物を解析して攻めてくる相手勢力と損得勘定抜きに攻撃してくる第三勢力とかつて栄華を誇った過去の遺物って勢力の組み合わせはちょっとした采配の変化で幾らでも力関係の変化を生み出すことが出来るわけで非常に美味しい。こりゃスプラ3ではメンディカントバイアス枠出てくるだろしモノリスソフトはゴーストとサマールの民のくだりをはっきりさせるためにゼノクロ2を作るべきなのは圧倒的真実である。
 
ゲームにおける良いストーリーを構築するための手段のひとつにシチュエーションを用意し進行そのものをプレイヤーに委ねることでその含意を漠然と読み取らせるというものがあり、困難な課題を進めていき脱出のために先へ先へ進み上へ上へと昇っていく主人公8号とゲームをプレイするにあたって試行錯誤を繰り返すゲームプレイヤーとのシンクロ性の高さが本DLCストーリーテリングひいてはナラティブ性の根幹なのではないかと自分は分析している。
 
本作の全体的な雰囲気づくりは先に挙げた通り『Portal』的であると感じた一方、難易度が高めに維持されつつ登坂を要求されるゲームプレイ体験は『Celeste』や『オリとくらやみの森』を思い出すつくりでもあるように見えた。つまり私の大好物。
 

そして烏賊は蛸と出逢った

種族が全く違う操作可能キャラクターの追加というゲームプレイの大幅な更新で(DLC未所持の人にも違和感なくその世界情勢の微妙な変化を認識させている事を含め)ここまでドラマチックな経緯を用意した丁寧な仕事ぶりに任天堂の開発ウデマエの高さを改めて実感した。
 

 
今まで『スプラトゥーン』のシングルモードはチュートリアルの延長という立ち位置からかそのレベルデザイン自体は比較的平易な仕上がりで、悪く言えば面白味の薄い仕上がりであったことは割と否めなかったしその傾向は『スプラトゥーン2』でもボリュームは増したとはいえ同じような仕上がりに落ち着いていた。
 
しかし今回の『オクト・エキスパンション』はDLCという形式をとることで「より歯ごたえのあるシングルプレイ」を求める人に選ばせることで安全装置が引き千切られた難易度を実装することが可能となり、ほぼ緊張感のあるゲームプレイ体験とそのウデマエを踏まえたステージデザインをふんだんに盛り込んだ仕上がりとなっている。
 
加えて本作は前作のヒーローモードの要素をイカんなくイカており、前作を遊んだプレイヤーには特に過去からの挑戦として演出されてるとあるボス戦はかつての自分との戦いとしても映るようにも見えて、思わず自分の中のネリメモリーをフニフニしてるような気分になってしまった。
 
ベヨネッタ2ベヨネッタの続編だったように、ポケモン金銀ポケモン赤緑の続編だったように、スプラトゥーン2は『オクト・エキスパンション』ではじめてスプラトゥーンの続編と呼べる物語を手に入れたのである。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あ、あと最後のカットシーンのこの部分
 

 
 
尊過ぎて検体キット爆発した