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『Titanfall 2 (タイタンフォール2)』のアルファテストが絶望するくらい残念な出来だったので思わず殴り書きたかった

2016年8月20日、『Titanfall2 マルチプレイヤーテスト』(以下 Titanfall2 アルファテスト)が開催された。
 

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前作『Titanfall (タイタンフォール)』を大いに楽しんだ身としてはさらなる要素の強化を期待して期待を胸にコンソールの電源を入れたのだが・・・遊んだ感触はあまりにも空しいものであった。
 
素晴らしい出来だった前作からの今回の落差にあまりにも落胆を禁じえなかったので思わずどういった点が気にらなかったのか纏めてみることにした。
 
なお本記事に書かれている要素はあくまで『Titanfall2 アルファテスト』内でのものであり、製品版『Titanfall 2 (タイタンフォール2)』では改善されてる可能性があることを断っておきたい。改善されるといいなぁ・・・・
 

 

 
 

駄目な点

CPUキャラの存在感が希薄になった

アルファテストでの仕様なので製品版ではどうなるのかわからないが、全体的にミニオンの扱いが希薄になってしまっていることがまず目についた。
 
無印Titanfallの魅力のひとつにAIキャラが入り混じった戦場という部分が存在しており、これによってマルチプレイ内での戦力、スコア供給源や演出の一部として機能していた。非常に画期的な第八世代ゲーム機の幕開けを感じさせる仕様であった。
 
しかし今回の『Titanfall2 アルファテスト』では「非常に希薄になってしまっている」のが大変失望させられる出来となっていた。
 
まず拠点防衛戦ではAIキャラは「全く出現しない」。この時点で殺意マックスだ。
 
そしてもう片方の賞金首ミッションでは出てくるものの投下ポッド周辺でタムロして、やる気なく銃弾を垂れ流すだけの的のようなものに成り下がってしまっている
 
これならHALOの難易度イージーのグラントのほうがよっぽど恐ろしいわ。
 

まずタイタンが呼べない

前作の『Titanfall』ではタイタン召喚は時間経過で行うことが可能になり、敵やCPUキャラを倒す等を行うことでその時間が短縮されるという仕様になっていた。これによってたとえ戦況が押し込められてる状態でも一転攻勢を行うキッカケとして大変重要な存在として機能していた。
 
だが今回の『Titanfall2 αテスト』 ではタイタンの召喚は「時間経過では全く出現せず」更に「純粋なスコア稼ぎやキルストリークの報酬」としてしか使うことの出来ない「勝ってると更に勝ち続けることが出来る」為のギミックに変化してしまった。
 
これによって、敵に上手いプレイヤーが居るか或いは自分の腕前が下手くそな状態ではタイタンを駆る楽しさを享受することが難しいというバランスになってしまっている。もうあの鉄の巨人は一部の貴族専用の存在に成り果ててしまったのだ。
 
 

ていうかタイタン周りがショボくなってる

もし仮に幾多の偶然と僥倖の果てに苦労してタイタンを召喚することが出来、呼び出したとしよう。上空から投下される演出に感動しながら乗り込もうとすると雰囲気が違う。
 
そう、『Titanfall2 アルファテスト』ではタイタンに登場搭乗する際、プレイヤーのカメラ視点が「三人称で乗り込む様子」を写すのだ。
 
前作にあったプレイヤーとタイタンが阿吽の呼吸でアクロバチックに乗り込みタイタンを起動する一連のシームレス流れがカメラの切り替えという誰得演出によってぶつ切りにされてしまうのだ。この衝撃は前作を遊んだ人間にほど響くであろう。
 
加えてタイタン自体が弱い、物凄く弱い。まずシールドが回復しない。他プレイヤーによる外部から電力供給(後述)によってのみシールドが回復されるという仕様なのだ。その為体力は減ったら減ったまんまジリ貧で戦わなくてはならないのだ。
 
更に、パイロットの対タイタン兵器が大幅に強化されており、建物内で待ち構えてるパイロットからの攻撃で容易に堕ちるバランスに仕上がってしまってるのだ。
 
戦局を覆すポテンシャルを秘めた超兵器の面影はもうタイタンフォール2アルファテストには存在しない。
 

タイタンロデオが退化した

前作Titanfallでは自キャラが敵タイタンに飛び乗るとそのまま流れるように敵タイタンのメンテナンスハッチ開放から銃撃を撃ちこむという攻撃を行うことが出来、さながら劇場版パトレイバーラストのような熱い展開を試合内で実行することが出来た。
 
だが今回の『Titanfall2 アルファテスト』ではその仕様も大幅に変わってしまった。
 
まずタイタンに飛び乗りメンテナンスハッチを開く、そこまでは前作と同じなのだが問題はここからだ。そのあと自キャラは敵タイタンの電池らしきパーツを取ったかと思うとそのまま飛び降りてしまう。なんとここまでの一連の流れはプレイヤーの操作から離れて自動で実行されてしまう。
 
どうやら『Titanfall2 アルファテスト』ではタイタンに飛び乗るごとに異なった攻撃アクションが自動で実行される仕様に変更されており、数回繰り返すと敵タイタンの体力を削ることができるようになる、という仕様らしい。なんてこった。
 
因みに先に上げたシールド回復の方法とはこれのことで敵タイタンから奪うなりして手に入れたタイタン専用電池を持った状態でシールドの切れた味方タイタンに乗ることで当該タイタンの体力を回復させることが出来るようなのだ。
 
敵からコア奪ってタイタンのシールド回復ってなぜそんなめんどくせー仕様にしたのさ。
 
前作でただ乗るだけのギミックだった味方タイタンへの搭乗要素にゲーム性を付加させたかったらしいのだが、新しいシステムとは往々にして複雑さを生み出すのが常であり、本作においても例外ではなかった訳である。
 
これら一連の変更はいたずらにギミックを複雑化させ、既存の戦力を弱体化させた「煩わしい要素」への変更にほかならない結果となってしまった。
 
はぁ・・・
 

パイロットやタイタンを活かすマップデザインになってない

昔はジャングルジムはじめアスレチック遊具があったのに公園が気づいたら撤去されて更地になった状態を見ている気分になった。
 
前作のマップは入り組んだ地形や町並みを縫うように移動することが出来るのが大きな特徴となっており。大きな通りはタイタンが、建物の中や屋上をパイロットの状態で飛び回るという「猫と鼠の追いかけっこ」を楽しむことが出来る仕様となっていた。
 
パイロットの壁蹴り壁走り2段ジャンプよじ登り等の超人ギミックはフクザツな建物だからこそ輝くものとなっており、慣れればなれるほどゲーム内のプレイヤーとの一体化が進むという操作していて大変指先が気持ちよくなるような、マップとギミックがガッチリ噛みあったゲームデザインになっていた。
 
だが本作のマップデザインは物凄く開けた場所に建物がポツポツと存在する傾向が強く、試合中も1箇所に留まりながら走ってくる敵を返り討ちにするという戦い方がやたら目立つものとなっていた。
 
加えて本作の新システムであるグラップリングフックを活かすためなのか壁走りさせるよりワイヤーで飛び越えさせるような建物が増えていることも気になった。ていうか基本のジャンプや壁走りもモッサリというか機敏さ無くなってる気がするんですがそれは。。。
 
特定のキャラクターの固有スキルを活かすために既存のギミックを活かせないようにするマップデザインを採用したのはハッキリ言って愚行としか言いようが無いと、遊んで感じた。
 

武器を持てる数が減った

またパイロットの武装回りも簡略化という名の改悪が実行されている。
 
基本FPSゲームアサルトライフル系のメインウエポンにハンドガン系のサブウエポンにプラスアルファという形式がとられている。HALOで本格的に導入された取捨選択の駆け引き要素だ。
 
前作タイタンフォールでもこの形式が採用されており、メイン武器にサブ武器と対タイタン武器という3種類を持ち歩くのが基本であった。
 
だが本作『Titanfall2 アルファテスト』は、メイン武器と対タイタン武器の2種類しか持てないのだ。なのでパイロット相手にも常に同じ武器で戦い続けなければいけない、弾切れた際の奥の手が備わっていないのだ。
 
この仕様が製品版でどう響くのかはわからないが、アルファテスト版では窮屈さしか感じなかった。
 

スマピ復活してください・・・(※追記アリ)

と思ったけどミニオン(マップ上に存在したCPUの味方やエネミー)がガッツリ居なくなってるから問題ないかーあははー(泣)
 
※2016年8月20日 追記
Twitterで頂いた情報によるとどうやら製品版では復活するようです。ひとまず安心でした。
 

バーンカード要素の排除

バーンカードと呼ばれるシステムが前作『Titanfall』には存在した。
 
これは試合開始前に手持ちのデッキから三枚カードをセットし、試合中任意のタイミングで発動し、強力な武器やタイタン周りの強化や即呼び出しの他パイロット自身の強化といった様々な恩恵を得ることが出来るアビリティを発動するためのギミックだ。
 
今回の『Titanfall2』ではそれらの要素がごっそり無くなってしまった。ごっそりとだ。
 
つまり、先に挙げたタイタン呼び出しの純粋なキルストリーク条件化の救済策が消えてしまっているわけでもある。
 
これにより、戦闘中の状況をかき回すようなランダム性が損なわれておりリスポンするさいの大きな楽しみのひとつが失われる結果となってしまったのだ。Respawn Entertainmentという社名はなんだったのか。
 
意欲的な要素を調整してでも実装し続けようという気概の放棄に私は思わず閉口してしまった。
 

タイタンカスタマイズ要素の削除

本作のタイタンのメイン武装は完全にそれぞれのタイタンごとに固定というシステムになっている。
 
前作では相棒たるタイタンにも様々な装備を施し各自思い思いのタイタンで戦うことができたが今回は格ゲーてきな味付けをしたかったらしく、タイタンごとにほぼカッチリと装備周りが決められてるという仕様になってしまった。
 
これによってカスタマイズする楽しさも取り上げられてしまったのだ。前作には用意されていた要素だった分これは辛すぎた。
 

ドラマチックな演出の削除

先に挙げたタイタンへの搭乗周りが三人称視点に切り替わるという演出の変更という名の劣化に加え、試合中の様々な演出回りも大幅に減退しているように感じた。
 
まずミニオン(CPUキャラ)が場所に応じて様々な作業を行うといった前線で橋頭保を構築するような緊迫感がまず存在しない(ミニオン要素が拠点戦で実装されてないという大幅な問題点)に始まり、試合自体が戦争の一場面であるという表現が悉く欠落しているのだ。イントロデモも簡略化されて、試合中の無線通信も殆ど存在してないし遊んでてカックリした。
 
ドロップシーケンスから戦闘に始まり拠点の争奪を経て最後の脱出戦に至るまでの、前作から続投されてる各シークエンスのどれもが「淡々と進む」のだ。
 
発売が二か月後に控えたアルファテストだから製品版では改善されてると信じたいが、前作のベータテストでは発売からより前に実施されたにもかかわらずキャンペーンとマルチプレイの融合という試みが十全ではないとはいえ感じ取れるレベルで作り出されていた。
 

マッチング長すぎるぞコラ

前作より部屋見つかりづらくなってんぞコラ
 

良い点

グラップリングフックは楽しい

特定の壁面や地面にワイヤーを飛ばし巻き取りながらその場高速移動するクラップリングフックの仕様はなかなかに微笑ましい操作性だった。
 
引き寄せてる間は確実にその方向に向かっていくため少しの間状況判断に脳みそを割くことが出来るほか二段ブーストで飛び越えたり加速に使ったり、地上での高速移動や回り込みにも使えるため戦略的な広がりが見えたのは面白かった。
 
だが問題は先にも言った通りマップデザインがグラップリングフック前提のデザインになってるため壁走りでマップ中を走り回ることが出来なくなったことである。前作は壁走りだけで一周くらいはできたハズなんだがなぁ・・・・
 

スライディング追加も楽しい

近年の未来世界観のFPSで実装されているタイプのスプリント時からのしゃがみによるスライディング動作がTitanfall2でも実装された。
 
しかも暫く一定方向に進むタイプのスライディングなのでゆっくりと狙いながら敵を倒しつつ滑りぬけることが出来るのは中々に面白い。
 

初代『Titanfall』がより楽しく遊べるようになった

本作のアルファテストを遊んだあと久々にTitanfall初代を遊んでみたら、面白さの再確認ができて大変良かった。拠点防衛やCTF、フロンティアディフェンスは特に楽しいルールで今遊んでも色あせていないことに驚いたのだ。
 
ぶっちゃけこの二つの要素、初代Titanfallに逆輸入しやがれくださいお願いします。
 

製品版までに治るとは思えない

要するに『Titanfall2 アルファテスト』では逆転する要素がことごとくオミットされ、CoDのようなものにロボットがひっついた「Titanfallのようなもの」に成り下がっているのだ。今のままでは未来世界観の平凡な対戦FPS以上の価値を見出しにくい。
 
加えて、何を血迷ってか(同じEA発売元なのに)「バトルフィールド1」が数週間差で発売が控えてるという状況、正直現時点では購入は考えにくいです。まぁBF1のβテストがどうなるかまだ未知数だからアレだけど
 
正直今のまんまなら『Titanfall2』を買う前に、DLCも無料化してて物凄く安くなってる初代『Titanfall』遊んだほうが何億倍も濃密で有意義な時間過ごせると思いました。
 
ていうか買ってくれ、『Titanfall2 アルファテスト』に絶望して久々に箱壱版起動しても問題なく対戦できたしPC版も似たような感じでしょ多分。
 
だからまず初代を遊んでくれ、頼む。
 
 
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(2016/08/20 追記)
誤字修正。指摘感謝